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大好きなお店のセールの在り方で、ボクが気づかされた大切なこと

先日、ボクのお気に入りのブティックに行ったときの出来事です。

ある日の出来事

ちょうど会員限定優待セールのハガキが届いていた。

とっても人気のおあるお店だし、その日が会員限定優待セールの初日だし、「メッチャ混んでいるだろうなぁ」と思っていってみたもののお客さんは誰もいない。

 

気に入った商品があったのでスタッフに聴いてみました。「コレもセール対象商品ですか?」

すると彼はこう答えてくれた。「いえ、セール対象商品は今はすべて店頭から引いています」

「えっ?今日から初日ってハガキを貰ったんですが?」とボクはハガキを見せた。

「あっ、こちらのおハガキが届いたのですね。このおハガキお客様でしたら対象でございます」

 

話を聴いていると、セール告知ハガキは二種類存在するらしい。

一つは年明けの初売りと翌日の2日間行われる一般セール。

もう一つは年末からの6日間行われるロイヤルカスタマー向けのセール。

ボクの貰ったハガキは後者。

それも少数の顧客にしか出していない様子。

どおりでお客さんも少なかったわけだ。

 

さらに興味深い話を聞きました。

一般セールの二日間、セール対象商品はすべて旧品(一年以上前のシーズンに売られていた商品)だそうです。

なので、お店の中を総入れ替えするらしい。

そして二日間のセールが終わると、また定価販売の商品構成に戻す。

このやり方を聴いた時、長年感じていた違和感みたいなものがスッと溶けていくのを感じました。

 

ボクが以前勤務していたアパレルメーカーでは、基本的にその売場の商品を翌日から値下げして売ると言う形が多かったです。(もちろんセール除外品は存在しますが)

前日定価で買ったお客さんが翌日お店に行くと、同じ商品が30%オフや50%オフで売られているのを目にする可能性があるということです。なんかここに違和感を感じていたんです。

「コレでは前日買っていただいたお客さんが嫌な思いをするんじゃないかな?」「一日待てば安くなるのにその日に売るのは、売る方もすっきりしないんじゃないかな?」ということ。

 

ボクが訪れたこのお店ではそんな違和感はありません。

セール対象は1年以上前に売っていた商品。

だからセール前日に買ったお客さんはもちろん、販売するスタッフも違和感なく応対できる。

そしてわずか二日間だけの一般セールなので集中して取り組めるのです。

ノンベンダラリンと、しょっちゅうセールしているお店とはわけが違う!

 

これからのビジネスへの気づき

おそらく、「そんなこと出来る店は特別だよ」「セール前日と売価が変わるのはアタリマエ。甘いよ!」そうおっしゃる方も多いかもしれません。或いは「在庫はドンドン回転させてナンボ。売れ残ったものはサッサとセールで処分しないと店頭の鮮度が落ちる」そうおっしゃるかもしれません。

でもそこにも違和感を感じるんです。もうそんなビジネスは時代遅れなんじゃないかって・・・

 

不特定多数のお客様を広く浅く対象にするビジネスと、気に入ってくださる特定のお客様と深く関わるビジネス。

安売りをしてでも回転率重視のビジネスと、少々回転が悪くても粗利益の高いビジネス。

商品を変えることでしか店頭の鮮度を保てないお店と、同じ商品でもスタッフの編集能力で魅力的に見せられるお店。

 

おそらく、今までのチェーストアのオペレーションでは前者が良しとされていたように思います。

しかしこれからは後者の時代。

リアル店舗ならではの魅力やSNSでの発信力を高めることで顧客様と深く関わることは可能です。

そしてそのためには、ビジネスの在り方を基本的に考え直したほうが良いのかもしれません。

 

従来のチェーストアオペレーションではなく、個店や個人の魅力を高めること。

・五感で伝わるVMDでリアル店舗の魅力を伝える。

・SNSでの発信力もスタッフの評価に取り入れる。

この2つに投資することだと思います。

 

接客業で大切なのは「つらいけど一生懸命お客さんに尽くすこと」ではなく「今度はお客さんをどう楽しませてやろうか?」と考えること、なのだから。

 

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