ボクがこの仕事を30年間続けている理由


VMDコンサルタントの藤井雅範です。

話せば長くなりますが、来年の4月で30年になります。

この仕事を始めて。

ずっとVMDという専門職をしてきました。

仕事を始めた会社は退職し、コンサルタントとして独立しましたが、基本的にVMDという技能、専門性が核になっています。

独立する際に他の仕事を考えなかったのか?と聞かれても、「考えなかった」と断言できます。

逆にこの仕事に就いたころは、しょっちゅう辞めよう、って思っていました(笑)

でも、ある日の些細な出来事以降、ずっとこの仕事をやっていたい、と思うようになりました。

ほんの些細な出来事です。

ショーウインドウのお仕事

もう20年以上前になるかな?

仕事にもすっかり慣れて、自分の技術にも自信がつきはじめたころのお話です。

当時は、エリア別にVMDの担当が分かれていました。

ボクは京都から北陸を担当していた。

金沢のあるお店での出来事です。

兼六園から香林坊の交差点に向かって坂を下った正面に、109というファッションビルがあります。

その正面のとっても目立つ場所、そこにボクがVMDを担当していたお店のショーウインドウがありました。

いつものように、スタイリングを組んでボディ(トルソー)に着せていました。

あっせっかくだから、ショーウインドウでスタイリングを見せるときのコツをちょっと書きますね。

ちょっと脱線・・・

目を惹く簡単ウインドディスプレイテクニック!

そのお店の商品は、特に個性が強いブランドを扱っているわけではない。

それだけに、スタイリングの組み方(コーディネート方法)によって見え方が大きく左右されます。

特にショーウインドウで見せる場合はリアルクローズより少しだけインパクトを出すように心掛けていました。

その場合に有効なのは、アクセサリーの使い方。

スカーフやストール、ネックレスやブローチ、バッグやグローブなど小物使いでポイントを作っていく事。

このテクニックが効果的です。

洋服自体は、ベーシックでも華やかに目を惹くスタイリングに仕上がる。

売上につながるんです。

・・・話を戻しますね(笑)

ウインドウを見ての来店

その日も、ショーウインドウを完成させてお店に戻って、店内のディスプレイを修正していました。

するとお客様が入ってらっしゃいました。

おそらく30代後半の美しい女性。

どうやら旅行中の様子。

金沢だから、旅行客も多いんです。

「あの、表のショーウインドウに着せてある商品を見せていただけるかしら?」

先ほどディスプレイを終えたばかりのウインドウ。

どんな商品が着せてあるのかはまだボクしか知らない状態。

なので、ボクが説明させていただきました。

ボクは接客が上手いわけではありません。

なので、コーディネートを再現したり、スカーフの巻き方を説明したり、アクセサリーの使い方を説明したり・・・

つたない接客のお手伝いをしました。

そしてお客様はフィッティングルームで御試着なさってくれました。

スタイリング丸ごと売れた!

フィッティングルームから出ていらっしゃったそのお客様はこうおっしゃいました。

「じゃそのコーディネート全部いただくわ」

嬉しくてボクも御礼を述べました。

すると「旅行中なんだけど、あのウインドウのディスプレイが素敵だったからお店に入ったの」

「明日はこのお洋服を着て観光してみます」

ちなみに当時で総額20万円近いお買い上げ。

なんだかこみ上げるものを感じました。

 

毎日お店で販売されている方からすれば、もしかするとほんの些細な事かもしれません。

でも当時のボクとしては画期的な体験となりました。

自分が編集したスタイリング、ショーウインドウに惹かれてお客様が入店される。

コーディネートを説明させていただく。

そしてフィッティング、満足されてスタイリング丸ごとのお買い上げ。

VMDが入店やセット率の向上につながる事を、よりリアルに感じられた体験。

気がつくと30年!

IMG_4399

そんな体験をすると毎日の仕事に自信が出ます。

そして更に精度を追求したくなる。

自分が工夫した事、仕掛けた事がどんな風に見えるのか?

そしてお客様はどんな反応をしてくださるのか?

それを検証したり、さらに改善したり。

すると仕事の面白さや奥深さがわかってきます。

更にそれを体系的に整理してメンバーに伝えたり。

伝えた事が実践されて効果が出ると、また別の喜びがあったりします。

そんなわけで気がつくと30年。

状況はどんどん変化します。

ソーシャルメディアが発達しVMDの意味する領域も広くなった。

まだまだ勉強しなければ!

当分はやめられませんね(笑)

・・・・・そういう事です。

 

 

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藤井 雅範

代表 VMDコンサルタント株式会社ライトハウス
アパレルメーカー 株式会社ワールドにて28年と9ヶ月、一貫してVMDの専門職に従事。レディス、メンズ、雑貨ブランド。セレクト、ファミリー及びスポーツ業態のVMDを経験。複数の事業部にてVMDマネージャーを歴任。エクスペリエンス・マーケティング実践塾55期生。《藤井雅範のプロフィール》

Comment

  1. あおきゆき より:

    藤井様

    実は先日のセミナーの会場でこのお話しをうかがった時、うるっ ときて涙が出てしまいました。
    藤井様は30年VMDのお仕事をされて、ベテランでプロの中のプロでいらっしゃる方。セミナーの講師としてもご活躍されている、、、。それでも、何年も前に味わった気持ちを忘れずに持ち続けていらっしゃることが、本当にすごいと思いました。
    感激しました。
    藤井様のセミナーでは お客様 という言葉がたくさん出てきて、そこにも感じるものがありました。

    自分を高めて、お客様に喜んでいただけるようがんばろう!と改めて思ったセミナーでした。
    私はビジネス目線で物事を考えるのが苦手なのですが 笑 これからもブログを楽しみにしております。
    いつもありがとうございます!

    青木由紀

    • 藤井 雅範 より:

      あおきさん、コメントありがとうございます!
      そういえばこのエピソードは、ビッグサイトのセミナーでもお話ししましたね。
      あおきさんも書いていらっしゃるように、ボクたちの仕事はお客様を笑顔にする仕事。
      とっても素敵な仕事ですよね!

この記事に対するメッセージを御願いします。
いただいた熱いメッセージが元気の素になります。
それを励みに進化した内容でブログを書き続けます。

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VMD基本用語説明

VMD:ヴィジュアル・マーチャンダイジング→ お客様にあなたのお店(あなたのブランド)の価値を“視覚をメインとした五感で伝えること”。そのシステムのことをさす場合もある。

VP:ヴィジュアル・プレゼンテーション→ そのお店のMDの特徴やコンセプトを表現すること、またはそのスペースのこと。一般的にはお店のファサード(入り口、通路面のお店の顔の部分)にあるショーウインドウやステージ上で数体のスタイルをまとめてみせる場合が多い。

IP:アイテム・プレゼンテーション→ そのお店で、商品が、お客様が手にとれるように陳列されている状態、またはそのスペースのこと。

PP:ポイント・オブ・パーチェス・プレゼンテーション→ IPされている商品群をピックアップして、着こなしや着回し使い方を表現すること、またはそのスペースのこと。いわゆるPOPもこのPPの一部に分類されます。

ファサード:お店の顔→ そのお店の外部の通路に面した部分をさします。特に、入店客数に影響を与えるスペースでもあります。

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